親と子  2007. 2. 1発行

 親孝行というのは今の若い人達には死語のようなものですね。

「親孝行?そりゃあ親にええようにすりゃあええんじゃろう」と言いますが、今頃の若い人達は親の都合も聞かないで自分の勝手の良いことばかりをする「自分勝手流」が親孝行だと思っているのです。

 親の願いとしては、元気でしっかり働いてほしい、皆さんに喜んでもらえるような人になってほしいということですが、こんな事は今どき誰もやりません。

自分中心で自分の喜ぶことしかやりません。

あちこちで遊び回っているより、ホーキを持って玄関でも掃いてくれた方がどんなに嬉しいか。

 親の願いは子供とは全く違います。

子供は自分の好きな事、おもしろい事を探して楽しんでいるのですが、親としてはそれを手放しで喜ぶ事はできませんね。

 そして、金を出してくれ、あれやこれをしてくれとねだる子も居ります。

親はわが子ですから、してやらない事はないでしょうが、いつまでもおねだりをするばかりの子では悲しく、そんな子に育てた事はかわいそうな事です。

 子は、「親に何をすれば喜んでもらえるか」と、親にしてあげられる身になった事を喜ぶような子に育ってほしいのです。

私共はそういう子が育つようにと気付かせて頂かなくてはいけません。

 黙って人の喜ぶ事をしておりますと、子も自然にそれを見てまねする訳です。

玄関先を掃いていても、ついでに両隣の庭先まで掃いてあげたりなど子供が「そんなことまでしなくても」と、思う事でも「こういう事が徳を積む事なのよ」と親が実践して見せると子供もその様にし、「この子はいい子じゃ」と噂になり早く良縁に恵まれます。

しかし、これだけではなく全てに気配り出来る子に成長するとなお嬉しいですね。

 親を大切にするような者は、間違いなく人に対しても親切で実意丁寧な対応をします。

そうすると親も益々嬉しいですね。

 「神様と人とが一つになる」とは「親を大切にして親孝行をしなさい」という事なのです。

親孝行ができるなら全ての人にも善行ができます。

それは神様が大変喜ばれることです。

神様の御心に添うことができれば、神様と人とが一つになれるでしょう。

 親である私共は、人に尽くす事を喜びとして生きる様に稽古をいたしましょう。
 


     (親先生のお話より)

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